北海道地域観光計画(HORTO札幌)~活動日誌

北海道内で共働・共創・考動による地域観光づくりを行っている「北海道地域観光計画」(HORTO札幌)の活動日誌です。ニコンD800を駆使して様子を撮って皆様にお伝えしております。

観光化されていない場所で地域観光を興す3つの理由

HORTO札幌です。

10連続の真夏日を経て、台風の影響を受けてきて本日は断続的に雨です。
さて台風はどのような影響を与えるか、多少心配ですね。

サイクルツーリズムは熱中症リスクで中止にしたり、その後は台風で・・・・となってなかなか難しいな、と強く感じております。
自然相手のアクティビティは、思惑通りにいかないものです。

 

さて、当社が何故この「石狩当別」にフォーカスして地域観光を展開しているか?
この素朴な疑問がございました。
ということで晴耕雨読、なぜ「石狩当別」なのかをちょっと書いてみます。

 

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①「タビナカ」ツーリズムにおいての抜群の地の利がある。
旅行において、ワンデイトリップなどの「タビナカ」という体験が今注目されています。旅行がパッケージされたものからダイナミックパッケージのような、大きなスケジュールに合わせたものにシフトしております。
海外客もFITへの遷移が進んでおります。
とはいえ北海道はどうしても空路は新千歳、宿泊は札幌近郊に集中します。

この札幌から電車で45分、新千歳空港から車で70分の距離は絶妙です。
(札幌丘珠空港に至ると30分圏内です)
しかも、都会の便利さを多少受けながらも田舎や田園風景が広がる光景は、やはり北海道らしいと言えます。
電車も普通列車で6両編成が入線する区間です。(北海道では長い編成です)
近さと便利さと北海道らしさ、これがこの地域の魅力です。

 

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②変化に富んだ自然が凝縮されている。
フラットな田園風景は石狩平野そのもの、借景に夕張山地や手稲山が広がる雰囲気が花を添えます。ピンネシリなど雄冬・暑寒別の山並みや森林資源も魅力的な観光素材ですが、まだまだ未踏な点が多いです。
里山から本格的な登山まで楽しめ、冬はワカサギ釣りやスノーシューなどの楽しみも通年で可能です。
また、すぐ隣の石狩は石狩湾・日本海の海の恵みも広がります。
積丹半島のダイビング、浜益のSUP、釣りなどのアクティビティも可能です。
そして石狩川、川は文明や文化が育まれることで有名ですが、北海道を代表する河川・石狩川下流で預かっている点でも、自然に恵まれていると言えましょう。
1~2時間圏内でここまで詰まっている拠点は、そう多くありません。

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③観光への取り組みが進んでいない。
この地域は肥沃な土地を活かした農業や、札幌のベットタウンで十分地域が潤っている場所ですから、観光への取り組みは非常に遅れています。
遅れても、遅れと感じないくらいの産業があるので、極論無用なのかもしれませんね。
(例として当別町周辺の自治体では法人化された観光協会がないところが多いです)

とはいえ観光は国家戦略だと考えます。
悪口で言うと手っ取り早くGDPを上げる効果もありますし、外貨を稼ぐために有効な手段です。また観光は地域に人を交流させ、地域に活力を起こし、地域の住民を増やす効果がありますから、しなやかな地域づくりには観光は欠かせないと言えましょう。

が、それらが現地まで本気に届いているのかというと、残念ながら非常に温度差があると感じます。
色々な理由があるのでしょうが、製造業などに比べて投資効果が見えない地味な点と、地方自治体の職員が必ずしもその自治体の住民でない、というのも政策に芯が無いこともあるかもしれません。
(周辺の市町村では札幌市内から通勤している職員が多くいます)

当社は「どうせやるなら」そのような未踏で可能性のある地域での地域観光づくりを進めるべく、この当別町を選んで拠点を置いております。
おかげ様で、当別町商工会、当別青年会議所、町内事業者、札幌観光協会などからの応援を受けながら、このタビナカを作るべく微力を尽くしております。

町内からは学園都市線廃線後の有効活用を考えたプロジェクトや、キャンプ場づくりなどを真剣に考えている方々と交誼を賜り、地域観光が少しずつ出来るのかなと感じております。

世の中は自治体でも行政でも観光協会でもないDMOやDMCに観光の軸を置こうとしております。この地域でも自治体の枠にとらわれず横連携でDMOやDMCを作っても良いのでは、と地域観光のプランナーとして強く感じているところです。

そんな思いをもって、地域観光づくりを行っております。